第57回マンスリーコロキウム議事録
開催日時 2021年11月18日(木) 12時30分~15時40分
実施方法 ZOOMによるオンライン方式
参加者 会員約30名(途中入退出あり)
講演次第 第1講演 12時30分~14時 『無人航空機に係わる航空法の概要と環境整備に向けた取組』 国土交通省 航空局次世代モビリティ企画室 課長補佐(統括) 甲斐 健太郎氏 第2講演 14時10分~16時 『フィジカルインターネット時代に向けたシームレスな共同配送トレース』 株式会社LOZI CEO Martin Roberts(渡邊 重雄)氏
司会・進行 早稲田大学総合研究機構次世代ロジスティクス研究所 招聘研究員兼事務局長 岩間 正春氏
議事録作成:運営支援者 森 和彦
第57回(2021年11月18日開催)マンスリーコロキウム感想
早稲田大学名誉教授 髙橋 輝男
1. 無人航空機に関わる航空法の概要と環境整備に向けた取組み 国交省 甲斐健太郎先生
人々の活動は動きを伴って成長する。荷を担ぐ人の歩行から台車、やがて機械的な動力を生かして、自動車、機関車、電車が生まれ、それが生んだ文化が発展した。例えば、地表の移動の実機はイギリス・マンチェスターの博物館に展示されていたが、そこには電車までで、航空機は見られなかった。その後の空間移動は明らかに次元が異なるものであった。スイスで航空機の博物館を見たが、小規模で空中から機体が吊り下げられていたように記憶している。
その後、航空機は第二次大戦を通して進歩した。私にはB29に空襲された悲しい思い出しかない。やがてシアトルのボーイング工場でJALのジャンボジェット1号機の組立を見た。もちろん、これは有人飛行機であった。
その後の航空機の知見は、今回の講演を聞くまで私にはほとんどなかった。しかも今日の主
題は先進的な無人航空機についてであった。ドローンが中心ではあったが、その歴史は物流にとっては決して長いものではなかった。私は貧弱な知識で講演に臨んだ。
無人航空機については、その規制の変遷、登録制度、機体認証、技能証明制度など基本の説明があった。さらにドローン情報基盤とその維持の創設は無人航空機のキーとなる話題であった。それらについて丁寧な解説があった。
全体の感想として、いくつか述べておきたい。
1. ドローンの活用とそのシステムの正常性について、多くの人はドローンが人や物を、障害を越えて運ぶ便宜を社会に提供するツールとして理解している。しかし、かつてNYで貿易センタービルに飛び込んだように、飛行機をテロの道具として使うこともあった。また中東ではドローンで要人を殺戮したこともあったと聞く。システムは正常な好ましい社会を対象とするだけでなく、望ましくない面での対応も考えておかねばならない。例えばテロ、戦闘という環境である。
2. ドローンを扱う人はイザという時に機械のように正確には仕事をできないことがある。逆に、どうして良いかわからず立往生することもある。こうした人間の特性についての配慮が必要である。
3. 都市計画において、人と機械の分担をすべきである。
4. 長期にわたる経済計算を怠りなく行うこと。政治的な人気取りではシステムは定着しない。
新しい分野だけに、試行錯誤的にやってみて、アイディアを出すチャンスが多いだけにフレキシブルな発想をすべきだろう。
2.フィジカルインターネット時代に向けたシームレスな共同配送トレース
LOZI Martin Roberts(渡辺重雄)先生
先日、ある講演会でフィジカルインターネットという語を聞いた。すでに公的な研究会が組織化されており、ロジスティクスの未来型としての会合であった。だがこの言葉がいかにして生まれたのか私は知らなかった。家に潜っている間に、世間では新しい動きが着々と進んでいたのかと焦った。巣ごもり勉強法では、やはり世の中から遅れてしまうのかと反省した。コロナの影響か?コロナによる怠惰がこんなところにもと思った。
私はかつて汐留の鉄道貨物駅で、貨車を連ねて東北方面に荷を送るため、パレットを使ったユニットロードにどのような振動が伝わるかを調べたことがあった。いろいろ工夫したが、今回の講演を聞いて、当然のことながら今ならもっと上手に全体をモデル化する技術があったのではないかと考えさせられた。あの時は振動を計るのに、歯科医が歯の噛み合わせを計るのに使った紙を荷の間に挟んでサプライチエーンの動的特性を把握した。時代の流れを思
い出した。
講演者のMartin先生は、流暢な説明でQRコードとバーコードを組合わせて、Smart Barcodeという名の下に、サプライチェーン全体をモデル化する技法を、豊かな経験を踏まえて開発された。しかも、スマホを使って、誰もが、どこでもトレースできると説明された。これはさらに拡張が可能だ。この組合わせが特徴であった。
それを様々な業種で実践された。その行動力は説得力に満ちていた。サプライチェーンの新しいモデル化技法として、極めて有効であると評価できる。
こうした新しい分野のシステム設計を説明されると、余談ではあるが、有効な技術が一部に占有されることがもったいないと思う。多くの技術者に公開したい。人材の層に厚みをもたせ、社会のレベルを高めたい。ある企業がシステムをまとめる時、取り残された人材をどう育成し、実戦に耐えうる戦力をどう準備するかという社会的な問題がきっと起る。
私も何とか新しい時代のための戦力たらんと、努力をしていると思ったりする。技術の急速な進歩は古い世界に残され分断された人々を生む。彼等の育成をどうするのかという問題は、デジタルの時代の課題となる。今日の講演ではこんなことも考えさせられた。
なおフィジカルインターネットについては物流の世界的な動きとして日本では経産省をキーに開発の活動が開始されています。情報が公開されています。
以上
議 事
新型コロナウィルスの鎮静化によって国内経済活動が正常化しつつある中、11月マンスリーコロキウムの開催となった。今回は無人航空機に関する国土交通省の最近の取組及びシームレスな共同配送トレースシステムについて、2コマの講演を頂いた。
第1講演 12時30分~14時
『無人航空機に係わる航空法の概要と環境整備に向けた取組』
講演者 国土交通省 航空局次世代モビリティ企画室 課長補佐(統括) 甲斐 健太郎氏
本日はドローンに関する法整備を中心に本省の取組について説明し、最後に空飛ぶ車や無人タクシーについても触れてみたい。
まず航空機の分類については航空法で定められていて次のようになっている。
1. 航空機
人が乗って航空の用に供する飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船その他政令で定める機器(法2条第1項)で、民間航空機、ヘリコプター等
2. 無操縦者航空機
操縦者が乗り組まないで飛行することができる装置を有する航空機(法第87条第1項)で、空飛ぶ車他も含まれている。
3. 無人航空機
航空の用に供することができる飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船その他政令で定める機器であって、構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦により飛行させることができるもの(その飛行により航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全が損なわれるおそれがないものとして国土交通省令で定めるものを除く。)
(法第2条第22項)(200g以上(規則第5条の2))で、商用ドローンやラジコン飛行機などが含まれる。
4. 無人小型機
航空の用に供することができる機器であって、構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦により飛行させることができるもの(法第2条第3項)で小型ドローンが含まれる。
5. 特定航空機器
航空機以外の航空の用に供することができる機器であって、当該機器を用いて人が飛行することができるもの(法第2条第4項)で、気球やパラグライダーが含まれる。
このような定義の中、商用ドローン、小型ドローンに関する法規は、小型無人機等飛行禁止法(小型無人機等(法第2条第5項))によって規制されている。
無人航空機法規制の変遷では、次の通りである。
① H27年6月許可・承認制度創設、12月施行 一定の空域(空港周辺、高度150m以上、人口集中地区上空)、一定の飛行方法(夜間飛行、目視外飛行等)で無人航空機を飛行させる場合は飛行毎に国土交通大臣の許可・承認が必要となる。
従来ドローンに関しての規制法は無かったが、行政・産業・趣味など幅広い分野で急速に普及し、特に新サービスによって国民の利便性に資することから活用が促進される一方、官邸落下事故等が発生し(年間60~70件)法規制を行う必要があった。規制対象は200g未満を除く無人航空機である。飛行する空域では、空港周辺、緊急用務区域、上空150m以上、人口集中地区(DID地区)での規制や飛行方法として自動車運転等と同様の心身状態、日中で目視範囲、常時監視、30m距離確保、群衆上空、危険物搭載等の規制を行った。飛行許可の申請については、ドローン情報基盤システム(DIPS)で行っており、現在
年間6万件に上る。これによって飛行情報の共有も行っている。
② R2年9月登録制度創設、R4年6月施行予定 無人航空機を飛行させる場合は所有者等の登録と登録記号の表示を必要とし、登録記号の表示の方法としてリモートIDの搭載も原則義務づけられた他、ドローンに関して規制対象機体の拡大(200g超⇒100g超)とした。特定空域を除き、a.登録義務関係では、無登録飛行禁止、3年ごと(省令事項)の更新登録他があり、b.表示義務関係では、無人航空機は登録記号の表示等の措置を講じなければ航空の用に供してはならない等の強化を図る。これによってドローンから発信されるIDをキャプチャーし、航空局・重要施設管理者、警察官他が個体監視等可能となる。
③ R3年6月機体認証・技能証明制度等創設、R4年12月施行予定 機体認証(新設)、操縦ライセンス(新設)を得て、 運航ルール(拡充)を遵守し、国土交通大臣の許可・承認を得ればレベル4飛行可能。レベル4以外は上記遵守を条件に許可・承認不要。
レベル1は目視内で操縦飛行を行う空撮や橋梁点検、レベル2は目視内自律飛行を行う農業散布、土木測量、レベル3は無人地帯での目視外飛行で、災害地域での郵便配送となっており、レベル4は現在飛行禁止されている有人地帯での目視外飛行(荷物配送)に関する飛行毎の許可・承認のため、環境整備、技術開発、社会実装のアクションプランを官民協議会が中心となり進めている。制度整備の面において、第三者の立入管理なしの飛行許可については、機体認証(一種:量産機で機体毎)、操縦ライセンス(一等)、運航管理方法等の個別確認+共通運航ルールが条件となり、第三者の立入管理ありの飛行許可については機体認証(二種以上:現状量産機)、操縦ライセンス(二等以上)、共通運航ルールが条件となる他現行登録制度も併用する。機体認証について量産機は型式認証書交付(国)をするが、自作機は設計・製造・機体毎のすべてに認証が必要となり、一種は当面国が、二種は登録機関が行う。上記以外は許可・承認不要。
社会実装としてまずは過疎地や山間部など地方部での物流等リスクの低いエリアから地道に実績を積み上げ、安全基準の検討段階から機体メーカー等と情報を共有することにより、レベル4飛行用の機体が同時進行で開発され、新制度施行後、速やかに実用化されるようにする。
一方技能認証の面では、現在千校近くあるスクールを活用し、全過程修了者に対して学科、技能試験を課して、等級別、有効期間は3年の技能証明書(国)を交付する。更新時には身体検査も含まれる。R4年9月より登録開始を予定している。
共通運航ルールについては、飛行計画の通報、飛行日誌の作成、事故報告の義務など課し、レベル4飛行に必要となる運航管理体制では、運用形態に応じた安全対策、保険加入などを義務付ける予定である。1飛行経路×1機のユースケースから複数経路×複数
機、広域エリアまでケースに適合した空の利用ルールを検討する。
(参考)空飛ぶクルマ関連
明確な定義はないが、「電動」「自動(操縦)」「垂直離着陸」が一つのイメージであり、諸外国では、eVTOL(Electric Vertical Take-Off and Landing aircraft)やUAM(Urban Air Mobility)とも呼ばれ、新たなモビリティとして世界各国で機体開発の取組がなされている。我が国においては、、2025年の大阪・関西万博を目標として、必要な技術開発や機体の安全基準をはじめとする制度の整備を進めている。開発推進体は、SkyDrive(CARTIVATOR)、teTra avitaion、トヨタ自動車×JobyAviation、ヤマトHD×Bell等が連ねており、海外ではドイツのVolocopter、フランスのAirbus、中国のEhang等がある。一方我が国整備の面では、ドローン同様に官民協議会で機体の安全基準WG、操縦者の技能証明WG、運航安全基準WGを組織し、ロードマップに基づき推進している。
(感想・質疑・応答)
増井先生
物流に活用するには、山間部や過疎地といった特定地域や特殊ケースに限られるとの見解が多かった。無人機の脅威(大統領暗殺未遂事件等)についてどう対応するのか、法整備等性善説に立脚しているように思うが、ぜひ性悪説の面からの議論もお願いしたい。
甲斐氏
飛行許可証、操縦ライセンス取得によって飛行マニュアルに基づく安全飛行を遵守させ、機体ID登録で監理者が個体(未登録機判別)を把握できるようにする。テロ等の対策としては警察(極秘)等関係者を交え検討を進める。
木戸氏
ドローンの全天候型の方向及び風速制限についてもお教え頂きたい。
甲斐氏
性能向上により台風等に強い機体開発を進めている。物流にも一定の要件が出てくる。
lukx氏
海外で、”Ehang”は日本(岡山県?)で試験飛行を実現したと報道されているが、国交省で承認を出されたのか?その後、結果評価どうであったか。
甲斐氏
航空局が許可した。試験飛行としいうことで結果は問題なく完了したと報告があった。
岡村氏
当社物流では限定的に活用を検討している。用途を明確にして趣味的なものから性能に応じ
た用途を規制するなどの検討を進めて頂きたい。
甲斐氏
安全性を確保して、省庁間でも議論したい。
高橋先生
この種の新しいものに対する人々の困惑(ワクチン接種の例)を解消して頂きたい。
田中先生
性能面(制御不能等)でも不安は解消されておらず、また他国では武器として開発を進めている。このような状況下にあって非常事態には緊急自動停止ができる仕組みを備えるべきである。
甲斐氏
ドローンの自動操縦については乗っ取り等も危惧され、セキュリティ対策を入念に検討する。空飛ぶ車においては、有人無人を問わず航空機レベルのセキュリティ対策を検討する。
橋本先生
限定地域・状況(山間部・過疎・被災地等)での利用(法整備含む)が望ましい。
甲斐氏
本省としても、特に災害発生時利用に注力している。
第2講演 14時10分~16時
『フィジカルインターネット時代に向けたシームレスな共同配送トレース』
株式会社LOZI CEO Martin Roberts(渡邊 重雄)氏
当社は2018年11月に設立し、行政、物流企業、総合商社等と協働し、海外では中国ハイアール社輸出入サプライチェーンを対象にトラック&トレースシステムを開発するベンチャー企業である。
本日ご紹介する「Smart Barcode」は1枚のQRコードでサプライチェーン全体をトレースし、拠点 / 事業者ごとに必要な情報を入力して、プレーヤー間でリアルタイムに情報を共有する仕組みである。この仕組みの特徴は、
① 1つのバーコードから異なるデータセットへアクセス(トラキングポイントごとに)
② 親子関係にあるバーコード同士のペアリングやリンクによるデータの統合/解除
③ QRコードの規格を採用=誰もが、どこでもスマホのみでトレース可能
④ 位置情報、タイムスタンプ、画像、電子署名等を含む各種トラッキング情報入力
⑤ チェーンに介在するすべてのプレーヤーでトレース履歴を共有可能
であり、次のような運用によって物流課題の解決やサプライチェーン効率化を実現している。
① 同一QRコードを読込む人ごとに異なるデータセットにアクセス可能なので、異なる事業者間での共同配に利用できる。
② ペアリングでQRコード同士の情報を紐づけることで、積載の効率化と誤出荷防止を図る
③ 個々のトラッキングポイントでカスタマイズできる情報入力によって必要な場所で必要な情報入力が可能となる。
④ 時系列に共有されるトレース情報によってサプライチェーン全体の可視化ができる。
ソリューション事例としては、このシステムをアプリケーションソフトで利用する。
① 追跡と自動化
トレーシング事例では、荷主から荷受人までの物流経路を不特定多数の事業者による共同配送のトレースが可能、トラッキング時に拠点の作業工程に合わせた情報入力、事業者ごとのトレース履歴閲覧の権限設定によって1バーコードで物流の見える化を実現している。
ペアリング事例では、親/子/孫までの3段階構造でのペアリング、親バーコードのトラッキングで子バーコード情報も更新、ペアリング解除機能で子/孫バーコードをリリース等ペアリングでの誤配送防止を図ることができる。
② バーコードリンクと再利用
バーコードリンクの事例では、一つの貨物やパレット等にさまざまな情報の紐付け、リンクされるバーコードの情報は編集可能によって棚~生産ライン~ピッキングエリアまで情報の紐付けを行える。
再利用事例では、バーコード再利用許諾ボタンで当該バーコードに新規のIDを付与することで使い回しが可能、輸送資材や車両バーコードの固定化が可能、静脈物流、通い箱、通いパレット等で利用によって車両/輸送資材バーコードの再利用ができる。
Smart Barcodeを通じて取得する情報は、次の通りである。
①バーコード有効化情報(バーコード生成時に格納する基本情報)
デフォルト(必須/任意/不可):発送元情報、発送先情報、トラッキングNo.(貨物番号/伝票番号等)、荷情報(製品情報/サイズ/重量等)
カスタムフィールド(任意で設定):テキストボックス、テキストエリア、ラジオボタン、チェックボックス、カレンダー(日付指定)、数値入力、OCR入力(9月実装)
② トラッキング情報(トラッキング時に入力する個別の工程処理情報)
デフォルト:位置情報、画像格納、電子署名
カスタムフィールド:バーコード有効化情報と同じ
オペレーションは、スマートフォンによって貨物QRコードをスキャンするとバーコード情報(ID/種別等)を取得し、現在地トラッキングポイント→トレースマップ(トラッキングポイント)→バーコード有効化情報(荷情報のみ設定)のデータが生成され、リンクバーコード情報、トレ
ース履歴(時系列表示)が閲覧できる。アプリ画面のOKを押すと、トラッキング情報の入力(位置情報/画像格納を設定)が生成される。
このようにSmart Barcodeのトレースデータをカスタマイズアプリで利用したり、センサーと組合せ輸送中の温度、湿度、動態追跡(GPS) 、衝撃、照度等を管理したり、ブロックチェーンに格納することで透明性の高い「食の安全」、真贋判定への応用やトレース情報の消費者提供に展開できる。
現在標準化に向けた取組として、ユーザが利用しているバーコード体系(QRコード、JAN/IAN/UPC、ITF、CODE39、NW7、CODE128)をSmart Barcodeソリューションに統合し、標準化を目指している。この事例では、ニューヨーク向け高級鮮魚輸送(ニューヨークに向けた鮮魚のコールド輸送追跡と保冷ボックスの回収管理)、鋼材サプライチェーン管理(原材料である元鋼材から切断される製品をペアリングし、製造管理、在庫管理、出荷管理、建設現場での費消管理を行う)、倉庫内業務/調達、製造、流通への応用等を展開している。
今後の研究開発として、RFID内蔵バーコードステッカー、データロガートレーシング、倉庫業務 / チャネル業務効率化、OCR等に取り組んでいる。
(感想・質疑・応答)
橋本先生
Q1.パレタイジング時スキャン手間が掛かり過ぎる対策、Q2.輸送中トレース時通信ダウンの対策、Q3.ニセのバーコードを読み込んだ場合の対策、について伺いたい。
マーチン氏
A1.複数貨物を一括スキャンする仕組みを開発中、A2.端末にデータ蓄積しているが、通信ダウンした場合欠落が生じる可能性はある。A3.使用者にアクセス・キーを付与する仕組みで改ざん防止を図っているが、消費者まで行った場合担保が難しい。
渡辺先生(東京海洋大)
ペアリング技術の詳細、データ書き換えについてお聞きしたい。
マーチン氏
例えば輸出時に貨物、パレット、B/Lのバーコードを読み取りペアリングする。バーコードはIDのみの情報で書き換えはURLを提示して行う。
菊田氏
既存バーコードを使いユニーク情報をどのように取得するのか。
マーチン氏
現在開発途上であるが、一元バーコードでは実現している。
阿部氏
どの様な業界でニーズがあるのか。
マーチン氏
食品業界では、HACCPの関連で温度トレース情報管理などのニーズがある。
増井先生
ユニットロードの組み上げ、分解を繰返した場合情報と一致するか。都度バーコードを発行するのか。
マーチン氏
プラットフォームアプリで設定することで、ユニットロードの組み上げ(ペアリング)、分解(枝番付加)により都度バーコードを発行せず情報を管理できる。
岡村氏
当社では二次元バーコードを利用してトレースしている。RFIDではコストが高くユニバーサル・スタンダードを目指して開発を進めて頂きたい。
高橋先生
開発には多数のエンジニアがプロジェクト毎に携わっているのか。
マーチン氏
個別カスタマイズではなく、プラットフォームを提供する方法にしている。
岩間先生
海外での展開はどのようになっているか。
マーチン氏
スマートフォンがあれば場所は問わないので、台湾(認可トラック管理)などでも引き合いがある。
次回開催予定 12月16日(木)
第1講演 「NEXT LOGISTICS Japanが取り組む物流ネットワークの改革」
NEXT LOGISTICS Japan(株)代表取締役 梅村 幸生氏
第2講演 「港湾局の物流情報化施策、国際物流プラットフォーム・データ連携基盤」
一般財団法人 みなと総合研究財団主任研究員 飯田 純也氏
以 上